うちのおとめさんは、2歳になる前に小児喘息と診断されました。その年の秋に オムロン メッシュ式ネブライザ NE-U22 を小児科医の勧めで購入!発作時の吸入や、発作予防薬のパルミコート吸入に大活躍しました!
しかし、1ヶ月半使った時点で目詰まりや不具合が頻発しました。この記事では、パルミコート吸入液はメッシュ式ネブライザーで使えるのか考えてみたいと思います。
オムロン メッシュ式ネブライザ NE-U22を購入!
2016年11月、小児科医のすすめでAmazonさんから オムロン メッシュ式ネブライザ NE-U22 を購入しました。購入当初からパルミコート吸入液の吸入に使用。2歳のおとめさんに使用しています。
このような医療機器を購入するのは初めて。レビューなど調べず医師の指示通りに購入しました。
しかし、1ヶ月半が経った頃に不具合が頻発しました。そして、ネットで調べると、メッシュ式ネブライザーを使ったパルミコートの吸入には賛否両論あることを知ったのでした。
モデルチェンジ
オムロン メッシュ式ネブライザ NE-U22 は、2018年より順次モデルチェンジしています。これから購入する方は、最新モデルを検討しましょう。特に、使い捨てメッシュタイプはパルミコートでも目詰まり知らずだと思われます。
パルミコートとは
製薬会社であるアストラゼネカ株式会社から発売されている吸入ステロイド薬です。主に喘息の治療に用いられます。入手には医師の診断と処方箋が必要です。
喘息の長期管理薬と呼ばれていて、慢性的に続く気道の炎症を抑えて発作を予防するお薬です。0.5mgと0.25mgの2種類が発売されています。おとめさんは、0.5mgを1日2回吸入していますよ。
薬液量・規格
- パルミコート吸入液 0.25mg:1アンプル中ブデソニド 0.25mg 含有(2mL)
- パルミコート吸入液 0.5mg:1アンプル中ブデソニド 0.5mg 含有(2mL)
メプチン吸入液
こちらはメプチン吸入液です。気道を広げて発作を止めるお薬です(発作治療薬)。咳が出ている時に、パルミコートに混ぜて混合液として吸入しています。
薬液量;0.3ml
※使用量や吸入方法などは、必ず医師の指示に従って下さい。
パルミコートをメッシュ式ネブライザーで使うメリット
パルミコートの吸入は喘息の発作予防、長期管理に最適な吸入薬です。
私たちのかかりつけ医が、なぜ目詰まりしやすいメッシュ式を選んだのでしょうか。
「とても静かなので、赤ちゃんや乳児がびっくりせずに落ち着いて吸入できる。」というニュアンスの事を先生は言ってましたよ。
アニメや映像を見ながらの吸入でも、静かなら音が聞こえやすいし、お昼寝中でも起こさなくてOK!夜中の吸入でも近所迷惑になりません。
また、電池式なので場所を選ばないのも大きなメリット。活発な子供を追いかけて、落ち着いた先で吸入出来てとっても便利!
毎日の事なので、取り回しや静かさはとっても大切なんです。
快調に吸入出来て医学的にも問題ないなら、メッシュ式がこの上なく便利で快適ですね。
パルミコート吸入液をメッシュ式ネブライザーで使えるか
そんな便利なメッシュ式ネブライザーは、本当にパルミコート吸入で使えるのでしょうか。
各メーカーの対応などをチェックしながら、詳しく考えてみたいと思います。
オムロンの対応
メッシュ式ネブライザーNE-U22は、オムロン株式会社から発売されています。公式サイトをチェックしてみましょう。
上記によると、パルミコート吸入液の使用は公式にコンプレッサー式(ジェット式)のネブライザーを奨励しています。
メッシュ式(NE-U22)に関しては、以下の様な感じで書かれていました。
- メッシュ式(NE-U22)で噴霧可能
- コンプレッサー式に比べて吸入に2倍の時間を要する
- 薬効成分がメッシュキャップの穴に残ると目詰まりの原因に
なる - 使用後は速やかに水噴霧(薬液を捨てて水を1〜2分・水は吸入しない)
つまり、コンプレッサー式に比べて吸入に2倍の時間がかかる上、目詰まりしやすい。それを承知の上なら使っても良いという事でした。
製薬メーカーの対応
パルミコート吸入液は、アストラゼネカ株式会社という製薬会社が製造販売しています。
アストラゼネカ公式サイト
上記の公式サイトには準備するものとして、「ネブライザー(ジェット式)」と記されています。
また、その下に「先生からおすすめされたネブライザーを使用して下さい。」とあります。
ネット情報
上記サイトは2006年頃の情報で、現在は既に閉鎖されていますが、公開時は下の方にアストラゼネカ株式会社からの回答が記されていました。
要約すると、「メッシュ式ネブライザーでも吸入可能だが、体内に入る量はジェット式ネブライザーの1.4~1.5倍。吸入時間で調節する。」という旨が記されていました。
「メッシュ式用に商品開発&研究をしている」という事ですが、それから14年、メッシュ式用のパルミコート吸入液は未だに発売されていません。
お薬の注意書き
吸入液の袋の注意書き
こちらは、パルミコート吸入液0.5mgが入っている袋です。アストラゼネカ株式会社の製品。
注意書きに「吸入する際はジェット式ネブライザーを使用する事」とあります。
2020年7月に処方された、ブデソニド吸入液 0.5mg「武田テバ」。パルミコートの後発品(ジェネリック)で、武田テバファーマ株式会社の製品です。
注意書きに「吸入する際はジェット式ネブライザーを使用してください。」とあります。
パルミコート吸入液の添付文書
上記はかなり専門的なパルミコート吸入液の説明書(文書)ですが、その12ページ目で触れられています。
要約すると…
- コンプレッサーによる圧縮空気で薬液を噴霧するジェット式を奨励
- メッシュ式ネブライザーは噴霧効率が著しく高い機種があり、使用時の安全性が確認されていない
- 超音波式ネブライザーは適していない
2020年8月(改訂第15版)においても、この様な旨が書かれています。
ネットのレビュー
Amazon販売ページのレビュー
パルミコート吸入液の使用には賛否両論ある様ですが、Amazonのレビューでは比較的肯定的な意見が多い様です。主なレビューを要約してみました。
- 目詰まりも起こらずに、問題なく使えてる
- 調剤薬局で確認したところ、きちんと手入れすれば問題ない
- パルミコートの添付文書によると非奨励
- 目詰まりするので、コンプレッサー式ネブライザーを医師から勧められた
また、驚いた事に、2017年2月には、「超音波洗浄機」で洗浄して目詰まりを防いでいるというレビューも。メガネとかの洗浄に使う機械ですね。これで目詰まりが防げるなら便利だけど、本当かどうかは定かじゃないです。
ミクシィコミュニティーのレビュー
現在はページが削除されてしまいましたが、2019年頃までmixiコミュニティーにユーザーさんの生の声が寄せられていました。
2008年頃の古いレビューなのですが、一部抜粋したレビューを紹介します。
- メッシュ式だと目詰まりが酷くて、親子共々ひどいストレスだった
- メッシュ式だと頻繁に目詰まりしてしまい、メーカーに5回も部品交換してもらった
- メッシュ式とコンプレッサー式両方使ったが、毎日使うのならコンプレッサー式が良かった
- パルミコートの吸入はコンプレッサー式じゃないと使えない
- メッシュ式はパルミコートを使わない。発作ケア専用なら携帯もできて便利
- パルミコートの吸入に毎回15分はかかるけど、音が静かで軽くて便利なので重宝している
- 年に1回位修理が必要だけど、使えている
メッシュ式ネブライザーによるパルミコートの吸入は、否定的な意見が多く見受けられました。結構目詰まりに苦しんでいるレビューが多いですね。もちろん、使ってるというレビューも散見されます。
パルミコートをオムロンNE-U22で使用した感想
今回は、小児科の先生におすすめされて「オムロンNE-U22」を購入しました。使ってみた感想を書いてみたいと思います。
目詰まりが激しい
このメッシュキャップの目詰まりが、激しいんですね。Amazonの実売価格でも、2つで6000円位。1つで2ヶ月も持ちませんでした。
Amazonさんから購入して11月1日に到着。11月はパルミコート0.5mgの吸入が1日1回と、発作時にメプチン+インタールの吸入。12月に入って、パルミコート0.5mgの吸入が1日2回になりました。
そして12月20日、パルミコート0.5mgの吸入に50分。完全に目詰まってしまいました。この時は、お医者さんからの指示があり保証交換して頂きました。
パルミコート0.5mgを1日2回、毎日吸入する様な使い方をしたら、耐用年数1年のメッシュが僅か2ヶ月足らずで目詰まりしてしまいました。
喘息の程度は、「中等症持続型」でした。
目詰まりの原因は微粒子
目詰まりの原因はこれ。
パルミコート吸入液を光に透かして見ると、細かい粒子が肉眼でも確認出来ます。軽く振ると分かりやすいですよ。ルーペをお持ちの方は、当てて見るとよく分かります。
肉眼で確認できるほどの粒子が沢山入っていて、これがメッシュをダメにする原因でした。メッシュは光に透かしても全く光を通さないほど小さな穴が空いているので、この粒子がスムーズに通過できない様です。
光に透かして見て初めて分かりました。目詰まりするのも納得ですね。
薬液ボトルの故障と目詰まりの見分けが困難
メッシュキャップが目詰まりして新品に交換してもらった後は、噴霧が安定していました。しかし、1〜2週間で再び目詰まりの様な症状に。
後日修理に出したら薬液ボトルの故障が判明しました。
薬液ボトルの故障かメッシュの目詰まりなのか判断するのは困難です。見分けるには、新品の薬液ボトルとメッシュを常備しておく必要がありそうです。
不具合の度に保証修理の交渉が面倒
メーカー保証を効かせて修理してもらうにはそれなりの情報が必要で、何ヶ月間使って、薬液は何を使って、何分で吸入が完了したか、を明確に伝える必要があります。
また、初めての交渉では言い方が悪かった様で、「噴霧時間が50分で正常です」と言われメーカーから交換を断られました。この時は、結局医師から改めて指示を出してもらい、半ギレ状態で交渉して何とか保証交換してもらえたという経緯もあります。
パルミコートを使うと目詰まりや故障が頻繁なので、その都度交渉するのがとても大変。回収修理の場合は梱包や発送の手間もかかります。
吸入時間が長い
パルミコート0.5mg+メプチン混合液使用(合計2.3ml)
・最速 25分
・最長 50分
・平均 35〜40分
2歳の活発な女の子を、これだけ長時間大人しくさせておくのは困難でした。しかも、朝に40分かかるとかほんとあり得ない遅さです。ジェット式なら10分も経たずに終わる作業。かなりストレスが溜まりました。
ネットのレビューでは、15分くらいという意見が多いので、薬液ボトルが故障していたのかもしれません。
噴霧が安定しない
薬液ボトルのせいかメッシュの目詰まりのせいか分かりませんが、パルミコートを使うと噴霧が安定しない事が多くありました。途中で出なくなったり、すごく弱くなったり。と思ったら急に勢いよく噴霧し始めたり。薬液が少なくなるほど噴霧が勢いよくなる傾向がありましたね。
メプチン+インタールの吸入では、そこまでムラがなく安定して最後まで噴霧しています。
使用後の水噴霧はすぐにやる
使用後すぐに水を噴霧しないと目詰まるんじゃないかという恐怖感から、吸入が終わったら急いで水噴霧をやっていました。外出先だとすぐに水噴霧は厳しいですよね。メッシュが乾くと薬液がこびりついて目詰まりしてしまそうです。結構ストレスでした。
煮沸消毒が大変
パルミコートを使うと目詰まりしやすくなるので、目詰まり解消のためメッシュキャップの煮沸消毒を頻繁に行うことになりました。
マニュアルには「少なくとも週に1回10〜30分の煮沸」とありますが、実際は4〜5日に1回弱火で30分煮沸が必要でした。
週に1回、10分の煮沸消毒では1ヶ月位しか持たない感じでしたよ。
結論
ここまで、メーカーの見解やネットの口コミなどを紹介して来ました。
様々な情報がありましたね。
結論
メッシュ式でパルミコート吸入液の使用は、やめたほうがいい
理由をまとめてみました。
- 製薬会社のアストラゼネカ株式会社が奨励していない
- オムロンもあんまり奨励してない
- お薬の袋に「ジェット式を使う」と書いてある
- 吸入がコンプレッサー式に比べて2倍時間がかかる
- メッシュが目詰まりしやすい
- メッシュや薬液ボトル交換の維持費が高額
- 煮沸消毒30分が頻繁
- ガス代がかかる
- お手入れに手間がかかる
- メッシュや薬液ボトルがいつ故障するか分からない
- 吸入に25〜40分。時間がかかり過ぎる。
- 噴霧が安定しない
- 吸入後の水噴霧を急かされる
- もし発作時に故障していたら、発作治療の吸入も出来ず救急になる
使用開始1〜2ヶ月で、これが一気に押し寄せて来ます。相当なストレスと維持費が必要でとにかく大変。やめといたほうがいいですよ。
それでも使いたい場合
結論は、やめといたほうが良いのですが、私たちのかかりつけ医も勧める様に、正常に動作すればとっても使いやすいネブライザーです。
医師が勧めるので、医学的にも問題ないでしょう。
奨励されませんが、メッシュ式でも噴霧可能なので、メリットもまとめておきますね。
- 音が静か
- 室内や外出先など場所を選ばず吸入出来る
- 動き回る子供を追いかけて、落ち着いた場所で吸入出来る
- お昼寝中、起こさずに吸入出来る
- 木造アパートで使っても音で近所迷惑にならない
- 子供に持たせての吸入が容易
- 小型で軽い
- パーツが少なくて組み立てやすい
- 逆さにして噴霧できるので、子供が寝ている間に吸入しやすい
音が静かで取り回しが良く、パーツも少なめで女性でも扱いやすいです。手軽なのがとっても便利!
音の静かさや手軽さを求める方に最適です。
毎日使う場合、メッシュは2ヶ月以内、薬液ボトルは3ヶ月〜半年に1回交換すれば快適に使えるでしょう。また、軽症で滅多にパルミコートを使わない様な場合も使いやすいと思います。
NE-U22のメッシュキャップです。目詰まりする前に、通販で予備を購入しておきましょう。
NE-U22の薬液ボトル。こちらも、予備を1つ購入しておくと安心ですね。
新モデル NE-U100
オムロン メッシュ式ネブライザ NE-U100は、NE-U22の後継機です。2018年10月発売で、メーカー価格税込25,080円。
振動子が本体側に付いているため従来のNE-U22より薬液ボトル落下による破損リスクが少なくなりました。乾電交換もしやすい設計に改良されていますよ。
これから購入する方は、最新モデルを検討しましょう。
使い捨てメッシュタイプが登場!
2019年11月、オムロンからメッシュ式ネブライザーNE-U200が登場。目詰まりの悩みに応えて、ついにメッシュが使い捨てになりました!
通常のメッシュでも、目詰まりするまでに最低1ヶ月はかかるので、使い捨てなら間違いなく目詰まりなし!快適に使える様になりましたよ。
メーカー価格は税込12,800円。メッシュは30個付属で、追加は60個税込2,200円。
毎日2回の吸入だと、2,200円×12ヶ月で26,400円となりますね。年間維持費は高いけど、その分本体の価格が抑えられています。
便利なメッシュ式でパルミコート吸入も行いたい場合は、こちらがおすすめです。
ミリコンCube購入
ふかふか一家ではコンプレッサー式(ジェット式)のミリコンcubeを追加で購入しました!年末だったのでAmazonさんに発注。1月2日に届けて下さり大変助かりました。税込10,800円で購入出来ましたよ。(メーカー価格18,900円)
現在はパルミコート専用でこちらを使っており、毎回10分以内の吸入時間を維持。3年間快調に吸入出来ました!2台目もリピしてます♪
オムロン NE-C28もおすすめ
オムロン コンプレッサー式ネブライザ NE-C28はコンプレッサー式の定番製品!信頼のオムロンから発売されています。パルミコートの吸入にはこちらもおすすめです。
まとめ
以上、パルミコートはオムロン メッシュ式ネブライザ NE-U22で使えるかどうかについて、色々と考えてみました。
これは、あくまで私たちが使った実体験を元に書いているので、購入した全ての方に当てはまるものではありません。実際、メッシュ式で順調に使えてるレビューも多くありますので、使用する薬液量や使用頻度にもよると思います。
あくまで参考程度に受け止めてくださいね。
これは医療機器のレビューです。購入の際は必ず医師に相談し、指示に従う様にして下さい。また、添付の説明書をよく読み、間違った取り扱いをしない様に気をつけましょう。
内容は出来るだけ正確になるように努めていますが、万が一このレビューを参考にして症状が悪化したとしても、当ブログでは一切責任を負いません。吸入方法や分量など、必ず医師の指示に従って治療して下さい。